日本では、まだまだ圧倒的に知名度が低い「IELTS」。読み方すらまだ浸透していないこの英語試験、IELTS(アイエルツ)。いうまでもなく、どんな試験であるのかの認知度もまだまだです。
実際、この試験の受験経験がある方にお会いする機会は、ほんとに少ない。なので、出会えたときには、ちょっとした感動すら覚えます。
IELTS(アイエルツ)の受験者数
事実、日本での受験者数を調べてみると、他の英語試験・資格に比べてかなり少ない。2015年度の受験者数は、わずか3.6万人(36,000人)。祝!過去最高を記録、とのことですが、まだ数万人の規模感です。
以前のコラム記事でご紹介しましたが、2015年の「TOEICプログラム」の総受験者数は、277.9万人。TOEICテスト単体でも、255.6万人にものぼります。英検も、2014年度は263.5万人が受験しています。
...というわけで、規模が全然違うんです。圧倒的マイノリティ、IELTS。
▼ときどきやります、コラム記事。
眠れる獅子、IELTS。
現在は知名度・認知度、そして受験者数も低いIELTSですが、今後は大きく流れが変わってくると予想されます。なぜか? それは、戦後最大となる、日本での大規模な教育変革と関係してます。
既に報道されていますが、センター試験は今後廃止され、2020年度から大学入学希望者学力評価テスト(仮称)が導入される予定です。『話す・聞く・書く・読む』の4技能を総合的に評価できる試験に変更するというものですね。
また、2019年より、中学3年生全員を対象とする学力テストも、4技能を評価するテストに変更する中間まとめ案を先日、文部省が発表しました。これにより、従来の日本の英語教育が劇的に変化することが予想されています。より実用的な英語が評価されるということです。
[引用]CNE1、今年注目NO1 !! IELTSコース! そもそもIELTSって何? | フィリピン留学なら、やっぱり CNE1 !! ※@nakamai_jpが携わっているCNE1「IELTS Boot Camp」のご紹介記事から抜粋
センター廃止による、この大規模な大学入試改革。大きな変更点のひとつとして、英語(外国語)試験が取り上げられてます。すごくうれしい。
なにかというと、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」では、4技能を総合的に評価できるような問題を出題すること。そして、民間の英語資格試験の活用が積極的に行われていくとのこと。もちろん、4技能を測定できる外部試験は、特に注目を集めることになるでしょう。
実際、すでにIELTSを採用している・導入予定を発表している大学はどんどん増えています。慶応、早稲田、上智、明治、立教といった私立大学、東大・京大をはじめとする国立大学でも積極的な動きが見られます。ここですべてはご紹介できませんが、たくさんの大学で採用・検討が始まっています。
なので、2020年に向けて、IELTSはどんどんと注目を集めていくことになるでしょう。まさに上りのエスカレーター。ポテンシャルを秘めた、眠れる獅子「IELTS」です。
あの協会が、結果にコミットしてる件。
先ほど述べた通り、2015年のIELTSの受験者数は3.6万人。実は、「わずか」3.6万人といってしまい、謝りたい方がいます。
それは、日本英語技能検定協会(さん)。なぜなら、この団体の広報・宣伝、営業活動のおかげもあり、受験者数が着実に伸びているからです。日本では、2010年から、この団体がブリティッシュ・カウンシルと共同でIELTSを運営しています。これが大きな要因のひとつです。
実際に、2010年にはわずか1万人だった、国内での受験者数。昨年までに約3.5倍へと増え、しっかりと受験者数を伸ばしています。
英語試験チャレンジャーのひとりとして、IELTS受験仲間が増えるのは単純にうれしいです。
TOEICer、じゃなくて「IELTSer」。
@nakamai_jpが待ち望むワードです。いつしか生まれた「TOEICer(トイッカー)」という言葉と同じように、IELTSにチャレンジする「IELTSer(アイエルツァー)」という言葉が生まれてほしい。
TOEICへの情熱はいつしか熱狂へと変わり、さらにはライフワークへと昇華することもある。イチ英語試験が、ここまでひとに影響を与える。試験としては賛否両論あるかと思いますが、これって単純に、ものすごいことだと思います。恐るべし、TOEIC。
というわけで、IELTSerというワードに心躍るわけなのですが、残念ながら、このままの状況では絶対にIELTSerは生まれません。
なぜなら、受験者を取り巻く課題があるからです。簡単にいうと、受験料の高さと情報の少なさ。残念ながら、受験料の高さは自分ではどうにもならない。でも、情報の少なさを解消していくことはできます。
なので、このブログ『英語まみれ〜』では、今後、IELTS関連の情報を積極的に発信していきたいと思ってます。@nakamai_jp自身、IELTSにもチャレンジしているので、おすすめ教材、学習方法・コツなど、どんどんシェアしていきます。
また、おそらく情報の少なさを起因とする、IELTSへの固定観念もちょっと気になっているので、自身を実例とした異なる見方もご紹介できたらと考えてます。
最後にひとこと
というわけで、IELTSの日本における現状をまとめてみました。次回はこの続きで、日本から一歩飛び出し、世界での状況をお伝えします。
実は、@nakamai_jpは以前、ベトナムに住んでいたことがあります。なので、現地で目の当たりにした、ベトナム人の英語学習環境についてもお伝えできたらと思います。日本人の自分とは大きく異なる彼らのマインドや姿勢に、とても刺激を受けました。
現地でIELTSのコースに参加したこともあるので、ここでのリアルな体験についてもお伝えしますね。
▼参考・出典リスト(今回記事) ※さらに詳しい情報はこちらでどうぞ
- 資格・検定試験 比較一覧表|資格・検定試験 関連情報[英語4技能試験情報サイト]
- 入学者選抜における活用|大学入学者選抜および授業等活用事例[英語4技能試験情報サイト]
- 入学者選抜改革における英語4技能の評価|文部科学省 英語教育 関連情報[英語4技能試験情報サイト]
- TOEIC|プレスリリース|2016年度|2015年度TOEICプログラム総受験者数は過去最高の277.9万人に
- 「IELTS 白書 2015-2016」 https://www.eiken.or.jp/ielts/pdf/ielts_hakusyo2016.pdf
▼IELTS8.0取得に使った教材・勉強法リストはこちら
▼今回の記事の番外編! IELTS受験者が直面する2つの困難