日本でいま最も受験されている英語試験のひとつ、「TOEIC」。
TOEICer(トイッカー)なんぞいうワードも生まれ、その熱量たるやハンパない。
つい最近のプレスリリースでも、昨年度の受験者総数が過去最高を記録したという発表があったばかり。
TOEIC|プレスリリース|2016年度|2015年度TOEICプログラム総受験者数は過去最高の277.9万人に
※【発行元】国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)/【発行日】2016年4月7日
年々増える受験者数
どうやら2015年度にTOEICを受験したひとは、277.9万人にものぼるらしい。
正確に述べると、この数字は「TOEICプログラム」の総受験者数だ。お馴染みのTOEICテストの他、TOEIC SW・TOEIC Bridgeの受験者数を加えたものになる。
さらに調べていくと、2013年にあの「英検」の受験者数を初めて上回り、それ以降も順調に数を増やしているとのこと。まさに日本の英語教育の革命前夜、4技能強化が声高に叫ばれる中、その流れを汲んだTOEIC SWの受験者数の増加もその要因のひとつであろう。
※【参考】英検受験者数 (2013年):235.5万人/TOEICプログラム受験者数 (2013年):236.1万人
「277.9万人」という数字にピンとこない
277.9万人。2779000人。千単位でカンマを入れるから、2,779,000人。
いちじゅうひゃくせんまん、じゅうまんひゃくまん...
つまりは、にひゃくななじゅうななまん、きゅうせんにん、か。
数字弱者の私は、数字を数える時は未だにこんな思考回路だ。こんなんだから、なにやら凄そうに謳われているこの数を見ても、正直、その規模感にピンとこなかった。
確かに、いま思えば小学生の頃からそうだった。つるかめ算につまづき、植木算を教わる頃には、数字に対する苦手意識を拭うのはもはや無理な状態へ。
そして、そのまま算数嫌い[小学生]→数学嫌い[中学生]→数学はもうやりたくないから文系選ぶ[高校生]→文学部[大学生]という既定路線を歩んだのでした。
世界の国別人口と比べてみた
でも、どうしてもこの規模感を体感したかったので、いろいろ思考をめぐらした結果、世界の国の人口と比べてみることにした。
2015年推計人口
※【出典】国の人口順リスト - Wikipedia
こういった情報を提供しているサイトをいろいろ見てみると、数字の違いがあることに気づく。集計時期の違いなどにもよるのだろう。
270万人規模だった国は、オマーン、モンゴル、ジャマイカ、クウェート。正直、オマーンにはあまり馴染みがなかったが、どれも知っている国名だ。
ここで急にオマーンが気になり出したので、何があるのか調べてみた。
中でも気になったのが、ワヒバ砂漠。
photo credit: Wahiba Sands Sunrise via photopin (license)
ラクダって意外に足が長い。
photo credit: Wahiba Sands, Oman via photopin (license)
車で走ったら、マッドマックス感も味わえそう。
photo credit: Wahiba Sands, Oman via photopin (license)
ちなみに、このエキゾチックな雰囲気がとても魅力的なオマーン。
世界で初めて世界遺産の登録を抹消された国でもあった。その対象となったのは、「アラビアオリックスの保護区」という場所だ。
原因のひとつが、密猟によるアラビアオリックスの数の減少。
あの伝説の生き物、ユニコーンのモデルとされたという説もある動物らしい。この長くすっとのびた角を狙われ、ハンターの犠牲になってきた。
photo credit: Arabian Oryx via photopin (license)
登録から間もない1996年には400頭にまで達したものの、以降は密猟の取締りの不十分さなどから数を大幅に減らした。さらに、オマーン当局が保護区の設定区域の90%削減を打ち出した結果、第31回世界遺産委員会(2007年)で世界遺産としての「顕著で普遍的な価値」は喪われたと判断された。
" What a lucky break "
数字が苦手であるというマイナスも、たまにはいいことあるもんだ。ちょっと回り道をしたが、TOEICの総受験者数から未知の国・オマーンへと旅をすることができたのだ。
オマーンより少ないがモンゴルよりは多い...この277.9万人というのはそんな数字。
ぼんやりだけでも、いまの私には十分だ。